預金から投資へ

日本人では昔からせっせとお金を貯めるのが美徳とされて来ました。
その為日本人の個人金融資産(現金、預金、有価証券などを指し不動産は含まない)の合計額は国内総生産(GDP)の約3倍の1500兆円以上と言われています。
この個人金融資産の合計額はアメリカ人の4000兆円にこそ負けていますが、他のイギリス、ドイツ、フランス諸国などの先進諸国には3倍以上の差を付けて堂々の2位です。
ただ日本人の個人金融資産には、銀行などの預金の比率が非常に高いという特徴があります。
日本人の個人金融資産の内預金の比率は全体の50%以上を占め、株式や債券などへのいわゆる「投資」は全体の15%程度しかありません。
それに比べてアメリカ人の場合、預金は個人金融資産全体の11%程度で、反面株式や債権などへの投資が60%近くを占めています。
これは何もアメリカ人が特に貯蓄嫌いという訳ではなく、他の先進諸国を見てもドイツ人の預金比率の35%前後がやや高いだけで、イギリス人やフランス人などは皆25%前後です。
その為以前から政府が音頭を取って預金から投資への誘導を計っていますが、まだまだ個人金融資産の預金偏重は大きくは変化していません。
その原因の大きな部分は日本人の投資に対する偏見です。
投資と聞けば誰でもすぐに頭に浮かぶのは「株式投資」ですが、日本では長らく株式投資「バクチ」と考えられていました。
日本は明治維新以来欧米先進国に追い付く為次々と欧米先進国のシステムを真似、そのひとつとして株式を売買する証券取引所も開設されました。
しかし悲しいかな欧米先進国のシステムの表面だけを真似た為質が伴わず、はっきり言って戦前までの日本の証券取引所は鉄火場(バクチ場)で、そこで株式の売買をしているのは一攫千金を狙う鉄火場の客が大半でした。
その様な歴史がある為、多くの日本人の頭には「株などはまともな人間がするもんじゃない」という意識が刻み込まれています。
これはいくら政府が音頭を取っても、なかなか預金から投資へのシフトが進まない大きな理由です。
ただ近年は投資に関する情報も増え、若い世代だけでなく高年齢層でもこの様な偏見は薄れつつあります。
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